新型コロナ感染防止のため開設中止となった海水浴場に足を運ぶ人が絶えない。安全対策が不十分なため、遊泳には様々な危険が伴う。先月には、こうした海水浴場で少年が溺れて亡くなる事故があった。
7月末の土曜日の昼過ぎ。今夏の海開きが見送られた新都志海水浴場(洲本市五色町)では、遊泳を控えるよう呼びかける放送が何度も響いていた。
それでも、砂浜には家族連れとみられる6、7組の姿があった。孫を海辺で遊ばせていた大阪市の50代女性は「目を離さないよう気をつけているが、ここは波が少なく安全だと思う」と話した。
ライフセーバーおらず
ただ海水浴場として開設されておらず、ライフセーバーはいない。数日前には実際、水難事故が起きた。
洲本市と洲本署によると、亡くなったのは特別支援学校に通う16歳の男子生徒。神戸市北区の児童養護施設の職員2人と、男子生徒を含む入所者6人が海水浴をしていたという。午後6時前、男子生徒が海面で浮いているのが見つかった。死因は水死だった。
洲本市によると、海水浴場に隣接する管理棟には、市が委託した地元業者2人が常駐していた。ただ業務の内容は、近くの公共トイレの管理と、開設されていないと知らずに訪れてしまった人への呼びかけ。呼びかけには法的拘束力はなく、遊泳を止めることはできないという。
水難事故が起きる2時間ほど前、管理棟にいた50代の男性は、高校生らしき数人と大人2人の団体客が浜辺に入っていくのが見えたという。
「『海水浴場はオープンしていない』と伝えた」と証言する。引率してきたとみられる大人も遊泳できないことを理解してくれたと思い、午後5時の業務終了とともに帰宅した。
男子生徒が浮かんでいるのが見つかったのは、その約1時間後だった。男性は「ここの海は急に深くなるところがある。何があったのかわからないが、事故が起こり残念だ」と語った。
「泳ぐのは絶対にやめて」
海上保安庁によると、今年は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル